+序章+




昔々のお話です。あるところに、誰も住まない世界がありました。

その世界は何もない地面が地平線のまで広がり、もちろん草木や川も 全くありませんでした。

そんな場所にやってきた、一人の女性がいました。名前はエヴァ。

エヴァはこの世界の上にある天上界にいた人間で、ある事を行い 不老不死となったのです。

彼女は、摩訶不思議な力でその地に花を咲かせ、水で潤しました。

そして自分と似たもの、人を創り出したのです。

そしてエヴァはその世界を、『地上界』と名付けました。

地上界は繁栄し、全てが平和に過ぎていきました。

しかし、ある人間がエヴァの力を応用し、奇獣を創り出しました。

その奇獣たちは各国で創られ、広がっていきました。

あちらこちらで戦争が始まり、ついには天上界を支配しようと 奇獣を送り込んだのです。

エヴァは泣きながら人々を止めました。

けれど、誰も・・・彼女の言うことを聞きませんでした。

彼女は禁断の術を使うことにしました。

その力を使った者は永遠にこの世に転生する事ができず、 魂をも拡散させてしまうのです。

もちろん不老不死の人間でも滅ぼしてしまいます。



エヴァはその術を使い、人々から奇獣を創り出す一切の情報と 奇獣を消し去りました。

そうして、この世から永遠に消えてしまいました。

全く違う記憶を植え付けられても、

地上界の人々はエヴァが世界を創りそして救った事を知っています。

だから彼女を崇めました。世界を創造し、そして救った女神として・・・。

消え去ったはずの彼女の魂はあまりの魔力の強さにか 天上界で星の様に煌めき、

人を形成しました。だから、彼女の血を引く人間今でもがいるのです。

天上界の人間はこのことをずっと語り継いでいるので、 地上界を恨みました。

しかし地上界の人間は、何故天上界が交流を避けているか分からないのです。



二つの世界のいがみ合いは消えることもなく、ただ広がって行くばかり・・・。



運命の歯車は止まることを知りません。

世界の歪みを抱えたまま、くるくるとただ回り続けるのです。



くるくる・・・ゆっくりと――――・・・・


by 結城飛由
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